【きなこもち(20代前半男性)の声】
   生きることは暗中模索(2023年12月) 

八おき塾に来るまでは半年ほど働いておらず、引きこもり生活を送っていた。大学は上手いこと卒業できたが、特に就活をするでもなく卒業してしまったので、1年間くらいアルバイトをしていた。しかし、そのアルバイトもこのまま続けたところで先に希望を感じることが出来ず辞めてしまった。このままではやばいと思いながらも何をすれば良いかが分からず、やる気もイマイチで動けず、気が付けば7カ月経っていた。

そんなある日、突然鳥巣さんが家にきてインターホンを鳴らした(後から聞いた話では、母が鳥巣さんにお願いしていたらしい)。その時は出なかった。その後も3,4回訪ねて来られたが、どういう話をされるのか分からない怖さと面倒臭さで会わなかった。
しかし、自分が尿管結石になってダウンしてしまったこともあり、半ば無理やり会って話すこととなった。正直八おき塾のことはよくわからなかったが、その時の自分の現状が自己採点−100点だったので、どうなったとしてもこれより下になることはないだろうから行ってみるかと通う決心をした。

通い始めて1週間、伸びに伸びた髪を切った。ちょうど美容師免許を持っている受講生の方がいたのだ。頭が軽くなる感覚があったし涼しくなった。
また、半年以上ぶりに人と会話をして、自分の声がどんなものだったか思い出した(意外と低かった!)。
次に6カ月後の目標を立てた。目的もなく起きることに虚しさを感じていたので、「目的を持って朝起きている状態を目指す」こととした。そしてアルバイトを探し始めた。結果的に2か所受けて1つ受かったが、週5日で働きたかったので、鳥巣さんに紹介していただいたアルバイト先に行くことに決めた。

念願の週5日勤務。くそきついが(何もしてない状態からの週5日なので当然ではあるが)、目的を持って朝起きるという、当初立てた目標にかなり近い状態にはなった。ところが、立てた時には分からなかったが目標に近づいて分かったことは、自分の考えた目標は大したことじゃないなということだ。もちろん昼過ぎくらいにのそのそ起きてくることに比べれば、心も体も健康的であるとは思うが、あくまで−100点が0点に戻ったようなものであってプラスになったのではないと感じたからだ。
ただ、一方で3カ月前の何もせずにだらだらと生きていた自分が、満員電車に揺られながら週5日でフルタイム働いている自分を想像できたかといえば、全く想像できなかったのも事実だ。前までは掃除や洗濯なども好きな時にできたが、今は仕事から帰って寝るまでの限られた時間の中で家事のほとんどをこなさなくてはならなくなった。また、節約のため毎日お昼ご飯に自分で作った弁当を持って行っている。これは凄い変化だと思う。

今後の目標は、今の自分が0からプラスに向かうために自分がやりがいを感じるものや、本当は何をやりたいのかを見つけることだ。どうすればその何かが見つけられるのか今はよく分からないが、頭で考えてもしょうがないということだけは分かっているので経験あるのみだろう。

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