【誠(10代後半男性)の声】 八おき塾で学んだこと(2023年2月) 

まず、八おき塾に来る前のことを書きたいと思います。
僕は高校一年生の頃サッカー部に所属していました。部活動も友達との交流関係もとてもうまくいき、自分が一番学校生活を楽しめてると言えるぐらい充実した日々を送っていました。ですが、時間が経つと交流関係が増えいろんな先生たちや友達から頼まれる事が多くなり、僕は人に頼まれたら断れない性格だったのですべて「いいよ」と答えていました。そうすると、僕が2人いても回らないぐらいやる事が増えすぎて何がなんだか分からなくなりました。頼まれた事ができなくなり先生に怒られたり「そんな奴じゃなかったろ」と失望されたりしました。そんな日々が続き少しずつ体が思うように動かなくなり、最終的に倒れてしまいました。
それからというもの学校に行こうとすると体が拒絶し、思い通りに動かなくなってしまいました。そのような状態が続きほとんど学校に行けなくなり、高校2年生の夏頃に「このままだと単位が足りなくなる」と言われて通信制高校に転校しました。その時は「自分の人生なんてどうでもいい。これから先どうなってもいい。何をやったって体が動かなくなり結局悪い方に行くだけだ。」と毎日何もやる気が起きず、一日中自分の部屋でスマホをいじっているだけといううつ状態になってしまいました。

そんな僕にも転機がやってきました。
心配した母に「八おき塾という場所があるから行ってみたら」と言われ、高校3年生の2月頃に話を聞きに行きました。鳥巣さんに「ちゃんと毎回来る事さえできれば治るから来たら」と言われて行くことにしました。でも、心の中では「きっとまた体が動かなくなって行けなくなるからあんまり意味はないだろう。」と思っていました。それから1ヶ月が経ち「もうそろそろ行けなくなりそうだなぁー」と思っていた頃、前に通っていた全日制高校の先生から「卒業式があるから見に来たら」と言われ僕は母の車に乗って高校の前まで行きました。学校に着いた時に「卒業式」と書いてある大きな看板が目に入り込んで来ました。その瞬間2年間ずっと現実から逃げて過去の栄光とも言えないようなしょうもない光に浸り続けていた自分とようやく向き合うきっかけができました。それを見て僕は今までに感じたこともない辛さや悔しさから放心状態になっていました。そんな僕を鳥巣さんは「辛い時に一人でいては駄目だから」とわざわざ僕の家の近くの駅まで迎えにきてくれました。そのお陰で、僕はもう一度だけこの苦しみと向き合おうと決心しました。

今現在、4月(2ヶ月後)から専門学校に通えるようになりました。ここまで行きつくまでには多くのことを学び、考え方も大きく変わりました。ここからは八おき塾に1年間通って学んだ2つのことを書いていきたいと思います。
➀他人と自分を比較しない。
僕はこれまでずっと誰かを羨ましがってばかりの人生でした。他人を羨ましがって、「僕も〇〇くんのように頑張ろう」と思える事はいい事だと思いますが、高校時代のように前に通っていた全日制高校の人たちを「毎日学校でたくさんの友達と会えて、部活もできて羨ましい、でも僕は通信高校で部活もできないし少しの友達としか会えない」。これは「羨ましい」ではなく「嫉妬」です。これでは嫉妬している友達と疎遠になったり、「〇〇くんだけ〜ができて羨ましいな」と自分のやる気を削いでしまいます。僕は全日制高校の人たちの事を嫉妬していましたが、そうではなく、通信制高校には「自分で自由に過ごせる時間が多く、規則が少なく色んな自由が利く。」というメリットがありました。それにもし気付いたら、やらされるのではなくやりたい事だけを勉強したり、サッカーだって部活より毎日長い時間する事ができます。全て自分主体で動くから、多分学校でやらされるよりも、学べる事が多いし、自分の為になる。このように自分の今の環境で「何ができて何ができないのか」を考える事ができればきっともう人を嫉妬しないと思います。
➁主語はいつだって自分
中学生の最初の頃、僕は自分がしたいことをやっているはずでした。たぶん最初の方は「自分が人気者になりたい」「注目されたい」「頼りにされたい」など思っていました。でも、その内、本当に頼りにされ出したら、「~しろ」とか「~しなさい」とか「~してほしい」とか言われるようになり、「自分がしたいこと」じゃなく、「僕がしなければみんなが困ること」に変化したんだと思います。でもそれじゃダメで、自分から動いているのではなく他人にやらされたって全くうまくならないし何も成長できないし、何より楽しくない。そうじゃなくてこれからは、自分が楽しいことだけをする。自分がしたいことだけをすればうまくいくし、そんくらいで考えた方が僕は、どっちにしろ人に頼まれたら断れないタイプの人間だからいい感じに、バランスが取れると思います。

最後に。
僕は一年前まで、先が見えない不安から生きているのがやっとの状態でした。しかし、八おき塾に入りコーチの方や卒業生・受講生の人たちから、生きて行くために大切なことを教えていただきました。おかげで無事に4月から専門学校に通えるようになりました。でも、普通に考えたら一浪せずとも去年少し勉強すれば現役で合格できていたかもしれません。そうは言え、辛い思いをした分、自分が本当にしたいことやりたい事がわかるようになりました。僕は約一年間八おき塾に通えてよかったです。次は何かいい報告が出来るよう学校生活を楽しんできます。

戻る 
Copyright © 2015 福岡わかもの就労支援プロジェクト All rights reserved.