■ 【S.M(20代後半男性)の声】 自己投資(2019年11月)
「今年一年で何か自分に対する投資をしましたか。」これは、先日の面接で受けた質問です。数ヶ月前、福岡わかもの就労支援プロジェクトに入塾する前の自分からはこの質問に対する答えは出てこなかったと思います。
福岡わかもの就労支援プロジェクトに入塾する前の自分は、このままではいけない、どうにかしないと思いながら、短い職歴や空いた期間を振り返る度に、もうどうにもならないと思えて何の気力も湧かないまま、ただただ時間が過ぎていくばかりでした。
入塾してから、どうにか就職に向けて動きたいという思いはありました。しかし、コーチとの面談の中で、アルバイトや正社員の経験を振り返り、職務経歴書を作っていくと改めてただ不利になるだけの自分の経歴が見えるだけで、どうにも変えられない経歴に対して、何を努力すればいいのだろうかという虚無感を感じていました。
そんな中、受講生やコーチが集まるイベントがありました。その中で卒業式に参加して卒業生が、これまでやってきたことや心境の変化を全員の前で話すのを聞きました。その後、それに対して一人ひとり卒業生に向けて一言話すことになって、正直な所私は卒業生と1,2度顔を合わせた程度でしかなく、卒業生に対して贈る言葉が見つからず社交辞令的に「おめでとう、がんばって下さい」とでも言ってその場をしのごうかと考えていました。しかし、他の受講生の卒業生に向けての贈る言葉を聞く内に、卒業生の変化に色々刺激を受けたんだなと言葉の中から感じられて、いざ自分の番が回ってきた時、私の口から出た言葉は、「やっと人並みに働けるようになったと思うかもしれないけど、自分のために頑張ったことが他の誰かに勇気を与えることもあるから、そのことを誇って欲しい」という言葉でした。後になってなぜこういう言葉が出てきたのか考えてみると、私自身が彼の言葉に勇気づけられていたんだなと思いました。
また、卒業式で語られた「自分を好きになれた」という卒業生の言葉がとても印象に残っています。彼らと自分との違いはなんだろうか?「それは自分を認められているかどうかの違い」だと思いました。変えられない経歴や過去は、変えられないことだと認めることで、その先のことが見えてくるのだろうと考えています。
現在は、正社員での仕事に就くことを目指して就職活動を行っています。面接を受ければ空いた期間や短い職歴のことを訊かれます、以前は答えづらいと思っていましたが、今はそのことを認めてこれからどうしていくかということを答えられるようになりました。それが人に評価されるとは限りません。ですが、自分自身を認めてこれからどうしていくのか考えられるようになった福岡わかもの就労支援での経験は、冒頭の質問の答えとして自分にとっての投資になっていると言えるのです。そして、自分を認めることは仕事に就いた後でも必要となってくることでもあります。失敗したり、上手くいかなかったりしたときにどう自分を認めていけるか。そのことが仕事を続けていける「働く力」にも繋がっていくのだと考えています。
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