■ 【こむぎ(20代後半女性)の声】 自分について考えたこと (2019年3月)
ぼんやりと、このままではいけない、働かなくては、という気持ちで、このプロジェクトにやってきた。でも、今更私に何かできるだろうか。
そういう曖昧な感じだったので、直ぐには具体的な行動へとはいけなかった。
ここにきて、まず出かける機会と家族以外の人間と接する機会が増えた。
毎週の面談では担当コーチの方と顔を合わせる。月に一度程度のプロジェクトのイベントごとでは他コーチ陣や同じ受講生の面々と出会う。そういう場に出向くために、初めての駅に降りることもあった。
そこで、知らない場所に行くときの、わくわくする、心が躍る気持ちを思い出した。知らない人と会うのも、まあ思ったより悪くない。何というか人付き合いに関して悪い方に想像しすぎていたのかもしれない。子供の頃注射が苦手だったが、打つ前にあまりに痛い方に想像しすぎて、いざ打つと大したことなくて却って驚いていた。あの感情に似ている。人と会うのに何となく拒否感があったが、いざ会ってみると、存外身構えるようなことではないのだと思えた。
普段の活動の中では、コーチの方とお菓子作りをするなどした。学校や仕事に行っていれば日常的な、家以外の場所で、家族以外の人間と何かをする、ということを行った。
その中から一つ。担当コーチの方が先日挙式された。その際にプロジェクトから寄せ書きを贈ることとなり、その取り纏めを引き受けた。その手の作業は学生時代の部活動で数度経験もあり、周りの協力の元やりおおせた。
メッセージを書いてもらって、それを色紙にまとめて。寄せ書きの作成という久々の作業で、長く使っていなかった、かつての私が培ったノウハウを引っ張りだしてきた。そういえば私ってこんなことができたのだった、と自分の中に眠っていた能力を掘り出してきた感じ。何もできないような人間だと思いつめていたけれど、私もすてたもんじゃないのでは。ほとんど忘れていた自信を持つという感覚が、少し蘇った。
ささやかな活動を重ねながら、今の私は、「就職する」という目標をはっきりと掲げられるところにやってきている。私にも何かできるんじゃないか、と思えるようになっているのだ。
今度は就職という目標の大枠の中を、具体的にしていく作業だ。一体私は何がしたいのだろうか。学生時代の就職活動では結局見つけられなかったこの問いへの答えを、今度こそ明確に見つけよう。やりたいことをやるのか、得意なことを生かすのか。アルバイトもしてみて、考えを深めていきたい。
勉強したいことが多方面にある。興味のある資格がいくつかある。行ってみたいところや見てみたいものがたくさんある。そんな様々な欲求があることに気づけるようになったのも、前向きな変化だと捉えている。
就職して、自分で自分を養える生活を整えられたなら、自分にやりたいことをさせてやりたいのだ。
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