【進(20代後半男性)の母の声】 「福岡わかもの就労支援プロジェクト」に参加して (2019年3月)

初めて鳥巣さんのお話を伺ったのは、東京の中央線武蔵境駅近くの会議室でした。仕事でお付き合いのある特定非営利活動法人が主催し、私の勤める生協も後援した講演会に、半ば引きこもり状態だった息子に「行ってみる?」と誘ったところ、「行きたい」と思いがけず前向きな返事をもらい一緒に参加しました。

息子は中学2年生の時にいじめから不登校になり、通院したりもしましたが、留学も経て何とか頑張って高校を卒業し、受験をして大学に入りました。しかし、頑張って入った大学もまた行けなくなって退学、と辛い10代を過ごしてきていました。
家にいても、母親の私は仕事が忙しく不在がちで、姉たちは厳しく、息子にとって家も居心地の良い場所ではなかったようです。それで、父親のマンション近くに部屋を借りて一人暮らしを始めました。一時は日雇い労働に行ったり、引っ越しのバイトをしたりして自立した生活をしていましたが、体調を崩し、また引きこもる日々となりました。
母親として、搾取されるような労働環境に子どもが長く置かれることも、一人で狭い部屋に引きこもっていることも望まないことで、何とかしたいと色々調べ、最初に触れた東京の特定非営利活動法人に相談に行ったりしていました。仕事で様々な若者サポートの話や成功事例を聞く度に悶々とした日々を送っていました。それが数年続いた後に明かりが射したのが、武蔵境での鳥巣さんの講演会です。息子は25歳になった頃でした。

鳥巣さんの講演を聞いて息子は、「福岡に行ってみたい」と言い出しました。でも福岡は遠く、私はなかなか決心がつきません。引っ越しなども含め金銭的な負担や、息子になかなか会えなくなるという寂しさもありました。でも、その年の暮近く、やはりこのままでは駄目だと先の特定非営利活動法人代表の村上さんに連絡したところ、「丁度良かった!また鳥巣さんの相談会しようと生協に出す募集記事考えてたところなのよ」と、相談会の予約を入れてくれ、1月末に親子で鳥巣さんと面談の機会が持てました。
鳥巣さんはきっぱりと福岡に来るよう後押ししてくださり、1週間ほど後に親子で福岡に部屋探しに行く予定を、その面談時に決めました。そして2月、初めて福岡を訪れ、部屋を決め、2月末に引っ越しし今に至っています。初めて福岡に行った時に、地下鉄の駅で地図を見ていたら、「どこに行くの?」と女性が声をかけてくれました。町の雰囲気も人々の雰囲気も優しく、息子も私も福岡がいっぺんで好きになりました。

そして1年が経ちました。息子は福岡でも引きこもり気味になったり、仕事が決まらず苦労したりしていましたが、昨年末電話した私に「福岡に来て本当によかった!ありがとう!」と言ってくれました。福岡は自然も人もとても良いと。「来年はきっと良い年になるね」と話しました。
それがその通りとなり、福岡に引っ越して1年後の今年2月にやっと正規の仕事が決まりました。私と同じ業界の生協で春から働きます。ここまでこれたのは鳥巣さんのサポートとコーチや仲間の皆さんのおかげです。鳥巣さんがおっしゃっていた「ナナメ上の関係」、親ではない少し離れた、でもちょっと近い関係を鳥巣さんに担っていただき、本当に感謝しています。息子は福岡に行って本来の自分を取り戻した気がします。鳥巣さん始め「福岡わかもの就労支援プロジェクト」に関わる全てのみなさまと、鳥巣さんを紹介してくれた村上さん、そして、福岡の風土と人々に大変感謝しています。ありがとうございました。
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