■ 【次郎(20代前半男性)の声】 自信を取り戻す (2017年11月)
「自信を取り戻す」、これが現在の私の目標です。私は「福岡わかもの就労支援プロジェクト」で週一のコーチングを受けながら、来年に控えた公務員試験に向けて勉強に取り組んでいます。また、「やらかしたらどうしよう?」と思い、新しい事への挑戦を躊躇する癖がありました。それで、日常生活においても様々な事に挑戦する習慣を付け、失敗経験を積む努力をしています。
私は他人に弱みを見せる事を極端に嫌う人間です。学業不振から単位を落とし留年するくらいならと大学を中退したのが5年前。その事実を隠すため、医学部再受験などという暴挙に走り3年間をドブに捨てました。しかし、不運とは重なるもので、そのストレスからか若年性脱毛症(要は若ハゲ)になってしまいました。その結果、バイトを続けるどころか、外出する事すら困難になってしまいました。それからというもの「お前の遺伝子のせいだ」と父に当たり、「生まれてこなければ良かった」と母を泣かせ、自殺未遂を繰り返しては家の雰囲気を悪くしていました。それでも、その時の私は親に八つ当たりする事でしか、精神の安定を保てませんでした。
そんなある日、母に連れて来られたのが、この「福岡わかもの就労支援プロジェクト」でした。この3ヶ月間、鳥巣さんの指導の元、メンタル面の強化に取り組みました。
ハゲも自分の個性として受け入れる、帽子をかぶらずに外出する事を第一歩として始めました。それは正直きつくもありましたが、私なりに頑張っていたと思います。深くかぶっていた帽子を脱いだことで、他人の顔が見えるようになりました。ガラスに映った自分の姿も見ることができました。
その訓練の傍ら公務員試験の勉強に打ち込み、容姿以外の部分で他人と戦う武器を手に入れる事に注力しました。両親、妹、ばあちゃん、その他親戚の人に「俺、来年公務員試験を受けるけん、1年間勉強を頑張る」と言いました。試験勉強はまだ少ししかできていませんが、実際に地方公務員試験を受ける事で、自分の実力がわかりました。私のような見た目で勝負できない人間は内面を鍛えるしかなかったのです。
結論から言うと、ハゲを自分の個性として受け入れる事はできませんでした。「カツラを購入したい」と鳥巣さんに泣きついたのが先週の事です。結局、私はその事実を隠す道を選びました。三歩進んで一歩戻っているのが、私の現状です。それでも、以前のようにひきこもるのではなく、「福岡わかもの就労支援プロジェクト」に通えています。この「社会復帰」の意思を大切にし、今はただ、それを信じて進むだけです。
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