【大地(30代後半男性)の声】就職できました!(2016年2月)

「あなたを採用します。これから一緒に頑張りましょう」。就労支援開始後、四ヶ月の準備期間を経て、満を持して、正社員になるべく就職活動をはじめました。その後、試行錯誤しながら約二ヶ月が経過した頃。四社目の面接での事でした。社長とのほぼマンツーマンの対話、実に二時間。幾度も問答を重ねた結果、社長のお眼鏡にかなったのでしょう。あれこれと苦心しながら進めてきた就職活動ですが、終了する時はあっさりでした。そしてついに、私の正社員としての新たな人生が幕を開けました。来年四十歳。遅咲きも遅咲きのスタート。それでもここまで来る事ができた。かつて自分が一度は諦めた、一つ上の領域に、ようやく一歩踏み込む事が出来た。確かな手ごたえと、胸の高鳴りを感じました。

こうして自分の成功談を語る姿なんて、かつての私なら、まるで想像もできなかったと思います。私は大学で就職に失敗して以来、自分の進むべき方向を見失ったまま、ずっと非正規の職場を転々としてきました。元から強い劣等感を抱えていた事もあり、完全に自信を失くしていました。正規でバリバリ働いている友人とは次第に疎遠になり、かつて世話になった人達にも顔向けができない。親族の集まりに顔を出すといたたまれなさで胃が痛くなる。そんなどん底状態が続く中で、迎えた七月。鬱々とした気持ちを抱えながら「福岡わかもの就労支援プロジェクト」の元を訪ねたのが、大きな転機となりました。

就労支援に通い始めて三ヶ月ほどで、自身を否定する感情がかなり薄れている事に、気付く機会が増えました。そしてその結果、他人の視線や言動をあまり気にしない、良い意味での「自分本位の生き方」ができるようになっているとも感じました。ほとんど面識のない方が相手でも、自分の考えを話せるようになり、肩の力が抜けた状態で対話ができている。これまでずっと対人関係が苦手で、人を避けるように生きてきた自分にとって、これは信じがたい変化でした。そんな自分の、他人との何気ない会話を楽しんでいる姿には、正直軽い混乱すら覚えるほどでした(笑)。

困った時に頼る相手ができ、苦しい時に話す相手ができ、そこに信頼が生まれてくると、状況は少しずつですが着実に変わっていきました。「諦め」「無理」しかなかった自分の世界が徐々にひらけていき、純粋に生きる事を楽しめるようになりました。私はまず、その楽しさを知ってほしいと思います。「福岡わかもの就労支援プロジェクト」には支えて下さる頼もしいベテランの方々がいます。私も、思いがけないところから助言をいただいたり、何か状況に進展があると我が事のように喜んでもらったりして、正直嬉しいやら気恥ずかしいやら…。そんな感じでした。要は、おせっかい焼きの集団なのです(笑)。ただし豊富な経験を持つ、プロのおせっかい集団です。きっと力になってくれると思います。

いつか皆さんと喜びを分かち合える日が来ることを信じて。
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