【ヒッキー(20代前半男性)の声】
  過去にとらわれず前を向く(2026年9月) 

 八おき塾に入塾して約3ヶ月が経過した。ここでは入塾に至った経緯とその後の経過、そして今後の展望ついて記す。

 入塾するまでの数年間、自分の生活の中心にあったのは、ほとんど受験のことばかりであった。浪人生活が長期化する中で、受験勉強による疲れや焦燥感、周囲から取り残されていくことへの劣等感が積み重なり、精神的にすり減っていった。同じ場所でずっと足踏みをしているような感覚に陥りながら、心身ともに限界を迎えていることを認められず、「まだ頑張らなければならない」と考え続けていたように思う。
 家庭環境としては、父が単身赴任で家を離れ、兄二人も大学進学を機に家を出たため、長い間、母と二人で暮らしていた。両親はともに医療関係の仕事に就いており、兄二人も医学部に進学していたため、明確に言及されたわけではないものの、自分も自然と同じ道に進むのだろうという雰囲気を感じていた。また、母と二人で暮らしていたことで、「母の言う通りにしておけば間違いない」と考え、母の考えを盲信していた部分もあった。

 決定的だったのが今年の1月である。受験勉強に行き詰まっていた時期に、これまで進路についてほとんど口を出さなかった父から、突然、他学部を受験してはどうかと提案された。人生の大部分を受験勉強に費やし、何年もその道にしがみついてきた自分にとって、それは単なる進路変更の提案ではなく、これまでの時間や努力、苦しさまで否定されたように感じられた。「今までの自分は何だったのか」という憤りと絶望から、何に対しても意欲が湧かなくなった。
 後に、父の提案は母の意向を受けたものだったのではないかと思うようになり、家族への不信感が強まった。この出来事をきっかけに家族との関わりも減り、家族内で孤立していく感覚が強くなっていった。さらに周囲との関わりも避けるようになり、次第に1日の大半を布団の中で過ごすようになった。

 入塾後、受験勉強から一時的に離れたことで、精神的には少しずつ安定してきた。また、同年代の塾生の話を聞くことで、自分の置かれている状況を客観的に見つめ直し、将来について少しずつ考えられるようになってきたように思う。一人暮らしを始めたことで家族との煩わしい関係からも離れ、自分の生活を自分で決められるようになった。さらに、これまで受験勉強を理由に諦めていた、以前から興味のあったことにも少しずつ取り組めるようになった。
 今後は、環境や親のせいにすることで、いつまでも過去にとらわれ、将来に向けて進むためのエネルギーを失わないようにしたい。過去を振り返ることは必要だが、それだけに留まらず、これから自分がどうしたいのかを考えていきたい。すぐに答えを出すことは難しいと思うが、周囲の意見に流されるのではなく、自分なりに考えていきたい。

Copyright © 2026 福岡わかもの就労支援プロジェクト All rights reserved.